皆さま、本日はご多忙の中、第62回奉納花菖蒲展表彰式にご臨席賜り、誠にありがとうございます。

まずは、宮司賞を受賞された伊藤誠さま(小仙峡)、会長賞を受賞された大場健一郎さま(紅鶴)、そして佳作に選ばれた10名の皆さまに、心よりお祝い申し上げます。皆さまが丹精込めて育てられた花菖蒲は、会場を華やかに彩り、訪れる方々の心をやさしく潤してくれました。そのご努力とご情熱に、深く敬意と感謝を申し上げます。また、展示期間中には当番や運営にもお力添えをいただき、誠にありがとうございました。

特に、大場健一郎さま、このたびの会長賞のご受賞、誠におめでとうございます。大場さまが心を込めて育てられた「紅鶴」は、私たち東京花菖蒲会の誇りであり、今後の活動に大きな励みを与えてくれるものと存じます。引き続き、温かいご指導とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

さて、本年は新たな取り組みとして、「紙飛行機教室大会」を同時開催させていただきました。花菖蒲展と紙飛行機、一見すると意外な組み合わせに感じられる方もいらっしゃるかもしれません。

しかしながら、私たちが活動の拠点とする靖國神社には、幕末から大東亜戦争に至るまで、祖国のために尽くされた246万余の英霊が祀られております。私たちは、その御霊に感謝と敬意を捧げる心を大切に、日本古来の花である花菖蒲を毎年奉納してまいりました。

花菖蒲は、古来より日本人に親しまれ、その優美な姿は、俳人・高浜虚子が「花びらの垂れて静かや花菖蒲」と詠んだように、日本文化の精神を映し出す象徴的な存在でございます。

そして今年、戦後80年という大きな節目を迎えました。私たち花菖蒲会もまた、会員の高齢化という課題に直面しながら、次の世代へと花と文化の魅力を引き継いでいく責任を改めて感じております。

そのような思いから、子どもたちや若い世代が気軽に楽しめる企画として、紙飛行機教室を開催いたしました。紙飛行機は、身近で親しみやすい遊びであると同時に、ものづくりの喜びや挑戦する心を育むものです。このような体験を通じて、まずは会に親しみを持っていただき、やがて花菖蒲の美しさや日本の伝統文化に関心を寄せていただければと、切に願っております。

また、最近ご入会くださった新たな会員の皆さま、初めて当番や運営にご参加くださった皆さまにも、心より感謝申し上げます。東京花菖蒲会は、どなたでも温かく迎え入れることを大切にしてまいりました。どうぞこれからも、遠慮なくご意見やご希望をお寄せいただければ幸いです。

世代や地域を超えた絆を育みながら、未来に向かって会をより豊かなものにしていくために、皆さまのご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

結びにあたり、日頃より会を支えてくださるすべての会員の皆さま、本日ご参加くださった皆さま、そしてご受賞された皆さまに、改めて深く感謝申し上げます。今後とも、皆さまと心を一つにしながら、東京花菖蒲会を共に盛り立ててまいりましょう。

東京花菖蒲会 会長 小林たかや